ブラインシュリンプ孵化器 ハッチャー24

ブライン孵化器

 ブラインシュリンプは卵状態での長期保存&塩水があれば孵化可能な便利さ、また栄養価が高いことから、稚魚のエサによく使われます。
 しかし、孵化させるにはある程度の水温(だいたい25度ぐらい)が必要なため、冬場は水温が課題となります。

 ハッチャー24(ニチドウ)は容器を水槽の中に固定させることで、気温が低い季節でもブラインを手軽に孵化させることができます。また、スタンドに立てて使うこともできます。放っておいても水温が高くなる夏に便利です。
 下の画像がパーツ一覧です。が、短いチューブが1つ欠けています。(クリックすると大きい画像)
 余談ですが、私が購入したのは改良後のものらしいです。

 使い方はシンプルで、容器の線まで水を入れて、塩とブラインの卵を入れて、エアレーションするだけ。1日経てばブラインの幼生が孵化します。なお当然ですが塩と卵は別売りです。

使い方

 私がやっている手順は以下の通りです。

  1. スタンドに立てた状態で水と塩を入れる(市販の塩、水道水で良い)
  2. 水槽内に設置し、フタを被せてエアパイプを通す
  3. ブラインの卵を投入してキャップを付ける
  4. エアレーション開始。あとは翌日孵化するまで待つ

 水はカルキ抜きをしなくても大丈夫。
 説明書ではプラストーンを付けていますが、自分は使っていません。エアの量を絞ってもきちんと対流が出来る点と、器具を洗う時にストーンを外す手間が省略できるのが主な理由です。
 最初は底に塩が溜まってたり、卵が底に張り付いていて、あまり循環してない……?と思ったりしますが、特に問題はないようです。

 翌日孵化したブラインを取り出します。

  1. 水槽から容器を取り出し、スタンドに立てる(水槽や部屋の照明が直接当たらない所に置く)
  2. 10分ほど放置して、底の方にブラインの幼生が沈んでくるのを待つ
  3. 茶こしorコーヒーフィルターを被せたコップを用意する
  4. エアパイプの反対側から少し口で吸い、サイフォン原理で↑のコップに排水
  5. 容器の塩水が半分くらいまで減ったら、コップに溜まった塩水を容器に戻す

 水槽から取り出すのは、容器内の水が減る→浮力で固定が外れ、塩水が水槽内に……という事態を避けるため。
 ブラインが十分な量採れるまで、2~5を繰り返します。あとはブラインを飼育水で1~2回濾して、スポイトで水槽に投入するだけです。
 余った場合、容器を水槽に取り付けて再びエアレーションをしておけばOK。どのぐらいの期間大丈夫なのかは調査していませんが、私は卵投入→翌日採取→翌々日2回目の採取&容器を洗浄して再設置のサイクルで使っています。少なくとも2日分は大丈夫ということですね。

追記:冷蔵保存してみる

 ブラインシュリンプは冷蔵保存も出来るらしいと聞いたので試してみました。用意したのは100円ショップで買った小型のタッパー。
1  上記の手順で採取したブラインを、塩水と一緒にタッパーに入れて冷蔵庫に入れるだけ。生存率は特に問題無く、最近は冷蔵保存に切り替えています。
 ハッチャーいらず=エアポンプを稼働させる必要がないのは大きな利点ですね。

注意点

 何より容器が大きい点に尽きます。水槽に設置する場合、結構なスペースを取ります。40cm水槽に取り付けているのですが、これが目立つ。(目立たないのもそれはそれで問題だと思いますが)
 体積もそれなりにあるので、水槽の水位が上がるのにも気を付けないといけません。水量を稼ぐために水槽の水を多めにしている場合は、溢れないかを確認しておいた方が良いと思います。

余談

 その壱:それなりに対流がないと、ブラインは孵化できない様子。エアレは心持ち強めにするとよいようです。容器の底に孵化しなかった卵が溜まるのですぐわかります。
 一度やらかしてしまった時は、エアレを強くしておくと、翌日には無事孵化していました。

 その弐:エアレーションがあるとはいえ、水量に対するブラインの数は多いので、水質は悪化しやすい環境です。
 多忙のためにしばらくハッチャーに触る時間が無かった時の経験ですが、3~4日経つと駄目になるみたいです(臭いが……)。その翌日にはほとんどが落ちていて、餌にするのを断念しました。
 その壱と合わせると、ハッチャー内に入れておけるリミットとしては3日までといったところでしょうか。付属のブライン計量スプーンの半分程度でこれなので、スプーン一杯だと2日でも厳しいかも。

2013/03/27