エキスパンションパスはダイパリメイク&LEGENDSアルセウスの伏線だった

 ※これは電波です。

 ポケモンソード・シールドの追加コンテンツである、二つのエキスパンションパス。これらにはダイパリメイクとLEGENDSアルセウスの伏線が隠されていたことを御存じだろうか。ここではその伏線について解説していく。

ダクマ&ウーラオスはダイパリメイク&LEGENDSアルセウスの伏線だった

 ヨロイ島を訪れたプレイヤーは、マスター道場の師範から「ダクマ」というポケモンを託される。ダクマは名前と外見からして熊がモチーフのポケモンのようだ。
 今作の舞台のガラル地方はイギリスがベースとなっているが、ヨーロッパ地域で熊と言えば、ベルセルクが思い浮かぶ。ベルセルクとは、北欧神話に登場する熊(または狼)の毛皮を身に着けた戦士のことである。彼らは戦神オーディンの加護を受け、いかなる武器でも傷つかない身体を持っている。まさに「鎧」と表現するに相応しい特性と言えるだろう。
 北欧神話が主に伝わっていたのはアイスランドやノルウェーのあたりで、イギリスは地理的にやや離れている。しかし、ダクマは「ガラル地方から遠く離れた山岳地帯に生息する」という公式設定がある(公式サイトより)。

 ダクマはプレイヤーと絆を深め、二つの型のウーラオスに進化するのだが、何故進化イベントを挟む必要があったのだろうか。プレイヤーが試練をクリアした成果としてウーラオスを入手するという形でも問題はなかったはずである。ダクマをウーラオスへ進化させる……つまり、熊を育てるという過程を描く必要があったということだ。
 そう、鎧の孤島で描かれたストーリーは、神の戦士(ベルセルク)となるための試練と、アイヌ民族の間に伝わる熊送りを重ねたものだったのだ。

 リメイク前のシンオウ地方には、不自然なほどに北海道の生態に準じたポケモンが少なかったのだが、LEGENDSアルセウスではイダイトウ(イトウ)やゾロア(狐)等、現実の北海道の生態系に寄せてきている。
 熊モチーフのダクマはこれらの先駆けであったと言えるだろう。

バドレックスは略

 エキスパンションパスの第二弾「冠の雪原」で登場したバドレックス。リメイクが判明した現在、このポケモンも伏線の一つだったとわかる。

 バドレックスは、かつて「王」と呼ばれていたらしい。この要素は、ヨーロッパにおける鹿の扱いに起因していると思われる。
 角が生え変わることから、鹿(特に牡鹿)は多くの地域で再生や復活、豊穣の象徴と考えられてきた。ヨーロッパではそれらが権威と結び付けられ、紋章に取り入れられたという(参考

 豊穣の象徴、そして王という属性はバドレックスの設定と重ねられるのだが、ストーリー中では後者に重きが置かれているように思われる。レイスポス(あるいはブリザポス)を手なずけて力を取り戻したバドレックスだが、豊穣の力が全盛に戻ったかは不明確であった。
 ガラルのモチーフであるイギリス・ヨーロッパに合わせるならば、後者の王の設定だけでも十分であるはずだが、鹿の普遍的なイメージである豊穣を付け加えたのは何故か。それは、シンオウ地方に同じ能力を持つポケモン……シェイミがいるからに他ならない。
 ソノオタウンの花畑はシェイミに関わる伝承と思われるが、類似の能力を持つバドレックスも関係していたのではないだろうか。バドレックスの力が衰えているのは、ガラル地方にはシェイミがいないためという可能性も考えられる。

 更に、バドレックスのポケモン図鑑の説明にはシンオウとの奇妙な一致も見られる。

過去 未来 すべての できごとを 見通す 力で 隕石から 森の 生き物を 救ったらしい。(黒馬/シールド)

 ガラルにもムゲンダイナが入っていた(?)隕石が落ちているが、シンオウもまた隕石が落ちた土地である。ゲームフリーク=いんせき大好きクラブ説
 加えて、ヒスイ地方の地図には、シンオウの時代には存在しない樹木のようなものが描かれている。ガラル地方のダイ木のようではないだろうか。ここまで共通点があるとなると、ガラル地方のポケモンもLEGENSアルセウスに関わって来る可能性が濃厚だと言えるだろう。

 信じるか信じないかはあなた次第です。

2021/12/15