SFメモ
水おくりに関わりそうな儀式などを調べた内容をてきとうにメモ。
←本筋に戻る
2021/8/31 元ネタ+小ネタ
北方の狩猟採集民族に伝わる初鮭儀礼が元ネタとしては最も近い。ポケモンLEGENDSで新たなポケモン「イダイトウ」が登場したが、モチーフと思われるイトウはサケ科の魚なので、ほぼ確実と断言してよさそうだ。
骨を洗うのかどうかについてはアイヌ含めて言及している資料は見当たらなかったので、ここはポケモンのアレンジかもしれない。
詳しくは神話ページにまとめたので該当ページを参照。
骨を重視する価値観
狩猟民族には骨を重要視する思想が多く見受けられる。アイヌにおいては、イオマンテでの屠殺後の熊の頭骨を祀る点が該当するだろう。また、地域によっては特定の動物の骨を破壊すること自体を禁じていることもあるという(骨を砕けば栄養価の高い骨髄を得られるにも関わらず)。
趣は異なるが、「骨」と「蘇る」という点は、北欧神話のトール神の雄山羊のエピソードも連想させる。骨が肉体の復活に関わるという考えは、普遍的なものなのかもしれない。
なお、獣骨を用いた儀礼は縄文時代から行われていたのではないかと言われているらしい。骨は分解されにくく残りやすい部位であるため重要視されやすいのだろうか。
シンオウ地方の伝承にも、骨を再生の象徴と見なす思想が根差しているのかもしれない。
潜水型神話
創世神話の類型の一つ。原初は海洋のみ存在しており、その水底から土などを持ちあげて世界を創造するというもの。
どちらかと言えば湖ポケモンの神話との関連性が強そうだ。
洗骨
沖縄等に伝わる儀式。文字の通り骨を洗う儀式だが、一度埋葬した遺体の骨を洗い、もう一度埋葬するというもので、シンオウの水おくりとは少し異なる。
(2020/08/17追記)後述の水葬等にも言えることだが、葬送とは死者との別れを行うための儀式である。形は似ていても、現世に戻る=蘇りを願うという意図とは明確に異なる。
復活信仰に焦点をあてると、先述の骨にまつわる思想やミイラなど、肉体(もしくはその一部)を保存する方法が多い。その点から見ると、シンオウの水送りは明確に性質が異なっていると言える。
この点には一つ考えられる解があり、ポケモン世界には現実世界とは大きく異なる前提が一つある。シンオウ地方にはギラティナを筆頭に別次元に住む者たちが存在している、という点だ。水おくりの復活信仰は、別次元の世界から来たものは元の場所で復活する、という思想に基づいたものなのかもしれない。
水葬
葬儀様式の一つで、遺体を川や海や湖に流す。宗教的な理由のほか、航海中の死亡者を弔う方法として行われることがある。
船葬(舟葬)
ヴァイキング等ゲルマン人に多く見られる葬儀の様式。大まかに二通りの方法が見られる。
- 遺体を副葬品とともに船に乗せ、火を付けてから海(あるいは川)に浮かべる。
- 舟を棺もしくは副葬品として遺体とともに土中に埋める(船葬墓)
2021/02/27